沖縄からみえる世界   地球・生命・宗教・先住民

人間が誕生し20万年が経つ。12万5千年前より火の利用を始め、10万年前にアフリカを出たと言われている。そして、5千年前にエジプト、黄河をはじめとする初期の文明が起きた。それから約2800年前になるとローマ時代が始まる。 つい250年前に産業革命が起きると、地球・環境・生命・宗教・先住民へ大きな影響を与え始める。西暦2017年の現在より、過去、未来を考える。

浦添西海岸の奇跡カーミージー(亀瀬)

 

 意外と知られていないと思うが、那覇市には那覇港の一部を占有している米軍那覇軍港がある。(面積約56ヘクタール)

もちろん、沖縄戦で略奪した土地だ。

ベトナム戦争までは物資の運搬などで頻繁に使われていたようだが、昨今はあまり使われる事もなくなってきているようだ。

その理由としては幾つかあるようですが、一つは港の水深が浅い事、もう一つは米軍のロジスティックスの形が変わってきている事が上げられそうだ。

 

そんな那覇軍港は74年に条件付きの返還が日米間で合意されている。

今から約50年も前なんですね。。。

やはり、この「条件付き」というのが厄介ですね。

ご存じの普天間基地辺野古への「条件付きの返還」です。

 

そんな那覇軍港の移設先の浦添西海岸は、浦添に残る唯一の自然海岸で干潟があり、岩場も砂場もあることから、多くの種類の生き物が(ジュゴンが食べる海草のリュウキュウスガモも)生息している。

先日、この海の観察会があり参加させて頂いた。

以下の写真はその時のものです。

 

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          約30名近くの近隣の人達が集まった。

 

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コンクリートブロックは米軍基地から流れ出したものらしい。(この場所の陸側は米軍基地)びっしりと付着しているモノ達は皆生きていて、満潮になると食事をするとのこと。

 

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           一面に見えるのは海草。

 

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            コブヒトデ。珍しいらしい。

 

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          イソアワモチ。ナメクジみたい。

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つい最近完成した橋。流れが変わり、陸の砂が浅瀬に堆積し、生き物の住みかを少なくしていると聞いた。

 

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          干潮の時だけ現れる干潟。



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  毒を持つ生き物も生息しているため、マリンシューズを履きます。


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    手前には湧き水が湧いていて、外の海水よりも冷たい。

 

 この海岸を埋め立ててしまってよいのだろうか??

日米政府、沖縄県那覇市浦添市と行政は皆埋め立てを進めようとしている。

しかし、そんな中、もうこれ以上沖縄の海を埋め立てるべきではないと考える人は大勢いるはずだ。それは、軍事基地であるかないかを問わない。

人類がこの地球上で大きな力を手にし、人間の快適な生活のために地球に穴を掘り、山を削り、河をコンクリートで固め、海を埋め立ててきた。

しかし、この先もずっとそんなことを続けることはできないはずだ。

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名護東海岸の海

 

 どの時代に於いても「どのように生きるか」というのは最も重要なテーマだ。

 

基地問題、気候変動、貧困格差問題、人種や性差別、種の絶滅などといった現実を前にして、あきらめに似た無力感は、日々誰もが感じていると思う。

考えない事、無視する事が、正直、この世界でうまく生きる方法でさえあると思ってしまう。

 

ジレンマを抱える現代の人間社会

 

この社会を作り出しているのは、他ならぬ私たち自身である。

多くの人が基地問題、気候変動、格差貧困や差別を大きな問題として捉えているにもかかわらず、実際のところ、私達が生きて暮らすことが、それらの問題を作り出す事に直接的、あるいは間接的につながってしまっている。

「人の役に立ちたい」「家族を守りたい」「国を良くしたい」と一生懸命に働く事が、むしろ自分達に害をもたらし、さらには地球に害をもたらし、未来を危険にしてしまっている。

これこそが現代、人類が抱えるジレンマである。

 

インドの独立運動から考える

 

「イギリスをインドの敵と見なしてはいけない」とガンディーは言った。

インドの人々を奴隷の身分に縛り付けている本当の敵を追い出す事が出来れば、イギリスはみずから手を引く、とガンディーは語った。

インドはイギリスの力に屈服したのではなく、イギリスが見せる娯楽・快適さ・便利さの魅力に屈服したと言える。

「イギリスは我らの品位を下げ、我らの本質を歪ませ、我らを埃と変わらぬ存在にした。邪悪な魔法によってではなく、軍の力によってではなく、交易と文明をひそかに食い込ませることによって。インドを征服しているのは兵隊ではない。貿易会社が行う商売なのだ」

ガンディーが考える解決策は、こうした商人達が売りつける品を拒絶し、彼らに利益を与えない事だった。インド独立運動の最大の直接行動と言われた「塩の行進」は、革命を叫んだわけではない。イギリスに塩を専売させるのではなく、インドの民による製塩を認めよ、大英帝国が来る遥か前にそうであったようにーーと訴えた。

ガンディーがずっと糸を紡いでいたのも、市民的不服従の行動だった。かつてのインドは何世紀も自分達の手で綿や麻を栽培し、羊を育てて羊毛を刈り、それを自分達で紡ぎ、自分達の布を織り上げてきた。植民地政策がそれを変えてしまった。今や原材料はイギリスへ出荷され、工場で紡がれ、そして製品となってインドに戻ってくる。インドの民はお金を出してそれを買わねばならなかったし、織物業を奪われた事で、数百万人が職を失った。産業革命前のシステム「手回しの糸車」はガンディーにとって優れた技術であるだけではなく、経済的正義という花を咲かせるための種でもあった。

「必要なものは自分の手で作り出さなければいけない。そして、自分の手で作れるもの、もしくはそれに相当するものに、満足しなければならないのだよ」

 「労働の手間を省いてしまったら、それは他人の労働によって生きる事だと理解しなくてはいけない。自分は搾取に加担してはいまいかと胸に問わなくてはいけない」

     <壊れた世界で”グッドライフ”を探して 著マーク・サンディーンより抜粋>